「すぎはら建築工房では、どんな家づくりをしているの?」と聞かれたら、
“お客様がずっと笑顔で暮らせる家づくり”をしていますとお答えします。
ずっと笑顔で暮らしていただきたい、そこには非常に多くの要素が関係してきます。
これらすべてに影響するのが
施工へのこだわりです。
話は少し飛びますが、羊羹の「とらや」をご存知でしょうか?
老舗中の老舗の和菓子屋です。
こういうお店は皆さん「昔から変わらぬ味を守り続けている」というイメージがあるのではないでしょうか?
実は、違うのだそうです。
「とらや」の羊羹は、老舗だからと言って創業当時からの同じ味を出しているわけではなく、とらやの羊羹のアイデンティティ「甘く、固く、後味よく」を守りながら、時代、時代にあった味を取り入れて、マイナーチェンジを繰り返しながら今に至っているのだそうです。
そんなとらやの社長の言葉に「伝統は革新の連続」があります。
これは私の好きな言葉です。物づくりを長年にわたって続けている者として、共感するところがありました。
先代までが築いてきた伝統と知恵を受け継ぎつつ、常に勉強を続け「これはお客様にとってより良い家になる!」と感じる理論や技術に出会ったときは貪欲に取り入れていく、そういう姿勢でいつもアンテナを張っています。
道具や物は、正しく適切に使えば役に立ちますが、そうでなければ無用の長物どころか、害になることもあります。
断熱材ひとつとっても、正しい入れ方・施工の仕方をマスターしていなければ、快適な住まいに寄与するはずが、逆に内部結露の温床となるなど家の寿命を縮めることになります。
背景にある理論まできちんと理解して施工するかどうか、こうした目に見えないことが、大きな違いを生むのです。
さて、家というものは釘1つから数えると、数千もの部品が集まってできていると言われているのをご存じでしょうか?
その中でも、大きなウェイトを占めるのが、家の骨組みである構造体です。
以前は大工が図面をもとに、柱や梁に墨付けをし、木材の仕口(しくち)や継手(つぎて)を手刻みしていましたが、現在では工場で事前に加工し現場に搬入するプレカットが業界の主流になりました。
プレカットでは、データ化された設計図面を元に機械によって精密に加工され、工期短縮や人件費を抑えることができます。
当社でもプレカットが主流ですが、プレカットでは対応できないような微妙・複雑な場合には手刻みで対応させていただいております。熟練した大工によって、一本一本の材木の特性に合わせることで材の個性が活き、現場の状況に合わせるなど機械にはできない微妙な調整を行うことができます。技術と知恵を代々受け継ぎ、地元の皆さまと共に歩んでまいりました当社ですので、お客様から「手刻みで」とご指定をいただく場合もございます。
当社は地元密着の工務店。
ご縁をいただいたお家とは何代にもわたってお付合いいただいています。
建てた大工がその後もずっと見守る・・・そういう昔かたぎの職人がやっています。